前回:最高に体に良い油、ギー(ghee)とは? その効果と作り方《アーユルヴェーダ入門 vol.6》

秋もすっかり深まり、寒さが日に日に厳しくなってきましたね。

紅葉や街のイルミネーションなど、外に出かける楽しみも増えるこの季節ですが、皆さん寒さや乾燥対策は万全でしょうか?

アーユルヴェーダ入門vol.7は、寒さ厳しい冬を元気に過ごす、冬の養生法をお届けします。

vol.3 夏の過ごし方でもお伝えしたように、アーユルヴェーダは季節の変化により起こる身体の変化に対して、どのように対処すれば病気を予防し健康な状態を保てるのかを詳しく教えています。

具体的には一年を6つの季節(初冬、厳冬、春、雨季、夏、秋)に分けて、それぞれの季節に注意すべきことや推奨されることを細かに説明しています。

一年でもっとも体力のある季節、冬の養生法

初冬から厳冬にかけては、実は一年で最も消化力、体力のある時期と考えられているのです。

蒸し暑かった夏の時期は食欲があまりなかったと言う人も、涼しくなるにつれ食欲が回復してきたと感じている人もいるかもしれませんね。

冬はその強くなってきた消化力にふさわしい燃料、つまり適した食べ物を十分な量与えなければ、身体に害を与える原因となってしまうと考えられています。

害を与えるとは、つまり冷えであったり、乾燥であったり、免疫力低下、老化など、冬の困りごとだけではない健康問題が増えてしまうのです。

それでは、冷えや乾燥から身を守り、厳しい冬とその後にやってくる次の季節を元気に迎えるための、アーユルヴェーダ的冬の養生法ついて、見て参りましょう。

食事制限ダイエットは2月中旬までおあずけ。冬は食べて動いて元気に!

今ダイエット中の方にはやる気を削いでしまうことになるのですが…この時期一番消化力があり、体力がある冬に、食事を制限するダイエットは厳禁です。

どんどん燃やす力が増している体内に、きちんと薪をくべなかったらどうなるでしょうか? 身体に必要な組織までも燃やし始めます。

必要な組織が減っていくと、冷えや乾燥から始まり、肌や髪のツヤを失いシワや抜け毛が増えたり、さらに進んでしまうと筋肉や女性らしさの元である脂肪も必要以上に減り、身体のフォルムが崩れる原因にも。

あと2〜3ヶ月もすれば食事制限ダイエットにぴったりふさわしい時期“春の始まり”が来ますから、それまで食事制限はおあずけです。

一年で唯一制限なしの冬なのですから、食べて元気になりましょう! ただし、冬はよく食べ、そしてさらに、「よく動く」ことが健康増進へのキーワードとなります。

ダイエットを意識するなら、食べる量のことはいったん忘れて、運動量を増やすことで体重や体脂肪コントロールをするように心がけましょう。

もちろん、食べて元気にとは言っても、苦しくなって後で後悔するほどの食べ過ぎや、ジャンクフードの食べ過ぎには注意ですよ。

原因を断つこと。身体を冷やす環境や飲食物を避ける。

まずは「原因を断つこと」が、不調改善の第一歩と、シリーズを通してお伝えしてきました。

色々と新しい冷え取りグッズを試したけど、全然冷えが改善されない…という人は、まず冷えの原因を作らないことを意識してみてください。

例えば……。

飲食物は常温以下のものを摂らない、火を使って調理されたものを食べること

控えるもの

冷蔵庫から出したばかりのもの
氷を入れた飲料
野菜の葉物類 ※食べる時は油を使った調理に。
夏野菜
生サラダやジュース、スムージーなど、火を入れた調理がされていないもの

※調理していないものを食べる場合は、出来れば一番影響が出にくいランチ時に。毎日続けて摂るのは控えましょう。

寒過ぎず暑過ぎない「汗冷え防止スタイル」で快適に

常に薄着でいるとか、外に長時間いるなど、寒さにさらされることを出来るだけ避けるのはもちろんのことですが、室内や電車内など、時に汗が出るほど暖房がきいている場所があるのも現代社会の冬の特徴です。

そこで提案したいのが、ただ着込むだけの冬の身支度ではなく、体温調節がしやすい服装を意識することです。

セーターよりカーディガンなど脱ぎ着がしやすいものにするとか、肌に直接触れる肌着は、例えば汗をかいても湿気がこもらないものを選んで、汗が引いた時に冷たい肌着が急激に体温を奪ってしまうことがないようにすることもできます。

冬着込み過ぎた結果、室内で汗だく……という経験をしたことがある人は、ぜひ試してみてください。

着込まないことが、冷えないことにつながるかもしれませんよ。

おすすめは「温スパイス」「白湯」「太白ごま油のヘッドマッサージ」


さてこれまで「控えること」を中心にお伝えして来ましたが、ここからは取り入れて欲しいものの紹介です。

特に冬の《冷え》対策のおすすめを集めてみました。

アーユルヴェーダの考え方で言うと、冷えの原因は「ヴァータ(空と風)」と「カパ(火と水)」が関係していると考えます。

そんなヴァータとカパを鎮めてくれて、身体を内側からポカポカにしてくれるものを日々取り入れてみましょう。

温スパイス

しょうが
コショウ
唐辛子(チリ)
シナモン
クローブ
岩塩(調理用塩は岩塩がおすすめ!)

味は「塩味、酸味、辛味」が温め効果のある味です。

例えば、本格的なスパイスカレーにはこれらのスパイスはたいてい全部入っているので、外食ではカレー屋さんに行ってみたり、この冬手作りスパイスカレーにチャレンジしてみるのもいいですね。

カレーだけではなく、しょうがやコショウ、唐辛子は日本の家庭料理にも頻繁に使われるスパイスですから、冬は特に意識して取り入れてみると良いです。

白湯

白湯の健康法に関する書籍も最近は多く出版されているので、すでに白湯を飲むことが習慣になっている方もいるかもしれませんね。

夏〜秋は身体の温め過ぎはかえって不調の元になりやすいため、白湯は一度冷ました「湯冷まし」がおすすめですが、これからの季節は、熱々の白湯(すすりながら少しずつしか飲めないくらいの温度)を飲むことをおすすめします。

飲むタイミングはいつでも良いですが、例えば便秘や日中のだるさ、寝起きの悪さなどのお悩みがある方は、就寝直前にカップ1杯飲むのがおすすめです。

様々なお悩みごと別白湯の飲み方については、以前にもご紹介した「白湯の処方箋〜実験してみました〜」を参考にしてみてください。

太白ごま油のヘッドマッサージ

最後におすすめしたい冬のケアは、アーユルヴェーダならではの『ごま油マッサージ』です。

入門シリーズでは、焙煎されていない透明のごま油のことを、アーユルヴェーダ式ダイエットで心も体も美しく《アーユルヴェーダ入門Vol.2》でご紹介していますが、寒い冬こそ欠かさず行って欲しいケアなので、再度の登場です。

古典書に記載されている冬の養生法では、特に頭部のマッサージがすすめられています。

アーユルヴェーダの太白ごま油ヘッドマッサージ

1.オイルの準備

太白ごま油を熱処理(キュアリング=油を鍋に入れ100度前後まで熱し、冷ます)します。

油を熱するのがこわい人や面倒…という人は、熱処理済みのものを使いましょう。

瑞健のSesameOil(肌油)500ml

2.ごま油を小さじ2〜3ほど手に取り、両手で擦り合わせ、まずは頭頂に塗布する。

ごま油を頭皮全体に塗りこむようにマッサージする。

髪ではなく頭皮に油がつくようにすること。

全頭に油が行き渡ったら5分以上置いてから通常通りにシャンプーする。

トリートメントなどもいつも通りで大丈夫です。

3.ヘッドマッサージのついでに耳全体も油をつけてマッサージすると、寒気が耳から入り悪さをするのを防いでくれるのでおすすめですよ。

(耳はヴァータの棲み家と言われています。)

4.マッサージ後に湯船に入る場合は、シャンプーで洗い流す前にごま油がついたまま、汗をかくまで温まりましょう。

朝のシャワーで湯船に入る時間がない場合は、熱めのシャワー温度に設定して、十分温まりましょう。

 

アーユルヴェーダ的冬の養生法いかがでしたか? 

最初から全て完璧にできなくても、出来ることから一つずつ取り入れてみることで、身体と気持ちに少しずつ変化が訪れることと思います。

この冬は、よく食べよく動く! 自分の身体と心の声をいつも観察しながら、心地よいセルフケアを続けて、元気な冬をお過ごしくださいね。

 

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