→前回:夏バテ・老化防止にも良い夏の過ごし方《アーユルヴェーダ入門Vol.3》


今回は、お肌よりも年齢や生活習慣が出てしまう女性の頭髪についてです。

髪のお悩みでもっとも多い「薄毛と白髪」に注目して、アーユルヴェーダ的対策についてご紹介していきます。

最近では、ノンシリコンや天然成分を配合したシャンプーなどが多くの年代の女性に支持されていますね。

しかしここでは、これまでアーユルヴェーダ入門シリーズを続けて読んでくださっている方ならもうお気付きかもしれませんが、シャンプーのご紹介ではなく、もっともっと前の段階、髪が出来上がる前の時点でできる、髪のためのケアについてお伝えしていきます。

髪の毛を作っている身体と、身体に影響を与えている心、両方のケアを見ていきましょう!

抜け毛や白髪になりやすい体質とは?

多くの人が30代後半頃からちらほらと白髪が見え始めますが、人によっては20代の半ば頃からすでに白髪が目立ち始めたり、一方では30代後半になってもほとんど白髪が見当たらない人もいます。

抜け毛も同じように、かなり個人差がありますね。

この差はどうして起こるのでしょうか?

アーユルヴェーダでは、体質や生活習慣により白髪・抜け毛がより多く現れる人というのがいます。

アーユルヴェーダ入門シリーズも第4回目を迎えましたので、ここでアーユルヴェーダをアーユルヴェーダたらしめる、他の医学にはないユニークな考え方と言われる「体質理論」について少し説明したいと思います。

体質を決める生命エネルギー ”ドーシャ”

アーユルヴェーダは存在するもの全ては『空・風・火・水・地』からなる五大元素でできていると考えています。

それは人間も同じこと。

例えば、私たちの身体には、ある程度の空間があり、呼吸を行うことで風を起こし、消化の火を持ち、水分量を調節しながら、あらゆるものを吸収、排出したりする土壌も持っています。

これらの五大元素のうち、2つの要素が組み合わさり、3組の異なる生命エネルギー(これら3組のバランスにより体質が決まる)ができます。

3つの生命エネルギー

空+風=ヴァータ

火+水=ピッタ

水+地=カパ

これら生命エネルギー(体質の元になるもの、病気の元になるもの)は、ドーシャと呼ばれ、3つをまとめてトリドーシャ(トリ=3という意味)といいます。

トリドーシャのうち、どのドーシャが優勢かというバランスは、受精の瞬間に決まり、その人の基本的な体質となります。

私たちはその決められた体質を持ちながら成長し、住むところや一緒にいる人、生活・仕事環境などの外的要因も相まって、特定の病気にかかりやすかったり、身体の部分で弱いところが現れたりと、身体的個性となります。

それでは、今回のテーマに戻って、抜け毛や白髪など頭髪の問題に悩まされやすい体質とは、どんな体質でしょうか。

またそれをいっそう進行させてしまうような生活習慣とはどんなものでしょうか。

火と水の人、ピッタ優勢体質の人は頭髪問題に要注意!

アーユルヴェーダの体質で、主にピッタが優勢な人は、頭髪の問題が出やすい人と言われています。

白髪や抜け毛の傾向がある他に、ピッタ優勢の人に現れる主な特徴には、次のようなものがあります。

•汗をかきやすい、暑がりである
•発疹や口内炎など、皮膚や粘膜に炎症が起こりやすい
•目や髪の色素が薄め
•計画的で完璧主義の傾向
•頭がきれる、聡明であると言われる
•何かとイラっとしやすい

これらの特徴を見て、「あ、これ私…」と思った方は、ピッタ優勢の体質である、または食事を含む生活習慣のせいでピッタを増大させている可能性が高いです。

そんな方は、今は大丈夫でも、そのうちに一気に白髪が増える、薄毛が気になりだす、ということが大いにあり得ます。

若々しい頭髪を守るためには、ピッタ優勢の人はそうでない人以上に、また元々の体質がヴァータやカパ優勢の人でも、普段からピッタを増悪させないようにケアしておくことがとても重要です。

ピッタ優勢の場合に頭髪の問題が起こりやすいと分かれば、それを防ぐためには、ピッタが今以上に増悪しないようにバランスするケアが有効です。

ピッタを増悪させないケアの問題の根本解決の第一歩は、「原因を断つこと」

まずはピッタが増悪する原因を避けることを最優先しましょう。

ピッタを増悪する生活習慣の例

・塩っぱい、酸っぱい、辛いものの食べ過ぎ
・熱いものの取りすぎ(暑い時に熱いものを食べる、熱い白湯を飲み過ぎる)
・暑い場所にいる、直射日光を受ける、日焼けをする
・毎日長時間目に光を浴びている(日光、PC、スマホ)
・熱いお風呂に入る

ピッタ増悪に影響を与える精神に関する行動例

・闘争心を異常にかき立てる仕事、趣味(ギャンブルなど)
・肉をよく食べる
・怒りっぽい、イライラしやすい人が周りに多い
・ホラーや暴力シーンなどが多い映画、ドラマなどをよく見る

ピッタの原因から遠ざかることができたら、次はピッタをやさしく鎮めてくれるようなケアを取り入れましょう。

生活のヒント

・髪を洗う時のシャワーの温度は、体より低い温度設定で

・暑い日はココナッツウォーターでクールダウン(ココナッツは身体を冷ましてくれます)

・ぶどうや桃など、甘くみずみずしい果物を食事や間食に取り入れる

※太りやすい体質(カパ優勢である傾向)の人は間食ではなく食事と一緒にとりましょう。

・ヨガの静かな呼吸法や瞑想で自分の中に静けさを保つ時間をもつ

ハーブとスパイス


・アーマラキー(サプリメントが便利です)

・コリアンダー水とベチバー水(夏バテ・老化防止にも良い夏の過ごし方《アーユルヴェーダ入門Vol.3》参照)

セルフトリートメント

・太白ごま油(100度前後まで熱を加えた(キュアリングした)もの)でのヘッドマッサージ。

夏場はココナッツオイル(冷性)がおすすめ。

※海外のアーユルヴェーダサイト等で購入可能な薬用オイルでは、ブリンガラージオイル、アーマラキーオイルが髪の健康に特に良いです。

・太白ごま油を鼻腔に数滴入れる経鼻法「ナスヤ」を行う。

※ナスヤ用オイル「アヌタイラ」を使うとより効果的。

アーユルヴェーダのセルフケアを実践する時、自身の消化力を気にかけてください。

自分の消化力以上に食べ過ぎたり、冷たい飲み物を飲んでいたりすると、消化力低下の原因になり、それはどんなセルフケアも台無しにしてしまうくらい、健康で若々しい身体にとっての大敵なのです。

健全な消化力という土台がなければ、どんなハーブもサプリメントもトリートメントも効果を発揮できません。

私たちの髪も肌も、全ては今日食べたものからできています。

大切なのは何を食べたかと、もっと大切なのは「どう消化されたか」です。

無理なくきれいに消化されて初めて、健全な血液循環、頭皮・頭髪の形成が行われます。

どんな体質の方も、いつまでも健康で美しい髪を持ち続けるために、ぜひ消化力の見張り番+ピッタをやわらげるセルフケアを続けてみてください。

 

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https://motto-woman.com/wp/wp-content/uploads/iStock-486339964-1-3-1024x683.jpghttps://motto-woman.com/wp/wp-content/uploads/iStock-486339964-1-3-150x150.jpg加藤 優子アーユルヴェーダアンチエイジング,白髪,薄毛,頭髪→前回:夏バテ・老化防止にも良い夏の過ごし方《アーユルヴェーダ入門Vol.3》 今回は、お肌よりも年齢や生活習慣が出てしまう女性の頭髪についてです。 髪のお悩みでもっとも多い「薄毛と白髪」に注目して、アーユルヴェーダ的対策についてご紹介していきます。 最近では、ノンシリコンや天然成分を配合したシャンプーなどが多くの年代の女性に支持されていますね。 しかしここでは、これまでアーユルヴェーダ入門シリーズを続けて読んでくださっている方ならもうお気付きかもしれませんが、シャンプーのご紹介ではなく、もっともっと前の段階、髪が出来上がる前の時点でできる、髪のためのケアについてお伝えしていきます。 髪の毛を作っている身体と、身体に影響を与えている心、両方のケアを見ていきましょう! 抜け毛や白髪になりやすい体質とは? 多くの人が30代後半頃からちらほらと白髪が見え始めますが、人によっては20代の半ば頃からすでに白髪が目立ち始めたり、一方では30代後半になってもほとんど白髪が見当たらない人もいます。 抜け毛も同じように、かなり個人差がありますね。 この差はどうして起こるのでしょうか? アーユルヴェーダでは、体質や生活習慣により白髪・抜け毛がより多く現れる人というのがいます。 アーユルヴェーダ入門シリーズも第4回目を迎えましたので、ここでアーユルヴェーダをアーユルヴェーダたらしめる、他の医学にはないユニークな考え方と言われる「体質理論」について少し説明したいと思います。 体質を決める生命エネルギー ”ドーシャ” アーユルヴェーダは存在するもの全ては『空・風・火・水・地』からなる五大元素でできていると考えています。 それは人間も同じこと。 例えば、私たちの身体には、ある程度の空間があり、呼吸を行うことで風を起こし、消化の火を持ち、水分量を調節しながら、あらゆるものを吸収、排出したりする土壌も持っています。 これらの五大元素のうち、2つの要素が組み合わさり、3組の異なる生命エネルギー(これら3組のバランスにより体質が決まる)ができます。 3つの生命エネルギー 空+風=ヴァータ 火+水=ピッタ 水+地=カパ これら生命エネルギー(体質の元になるもの、病気の元になるもの)は、ドーシャと呼ばれ、3つをまとめてトリドーシャ(トリ=3という意味)といいます。 トリドーシャのうち、どのドーシャが優勢かというバランスは、受精の瞬間に決まり、その人の基本的な体質となります。 私たちはその決められた体質を持ちながら成長し、住むところや一緒にいる人、生活・仕事環境などの外的要因も相まって、特定の病気にかかりやすかったり、身体の部分で弱いところが現れたりと、身体的個性となります。 それでは、今回のテーマに戻って、抜け毛や白髪など頭髪の問題に悩まされやすい体質とは、どんな体質でしょうか。 またそれをいっそう進行させてしまうような生活習慣とはどんなものでしょうか。 火と水の人、ピッタ優勢体質の人は頭髪問題に要注意! アーユルヴェーダの体質で、主にピッタが優勢な人は、頭髪の問題が出やすい人と言われています。 白髪や抜け毛の傾向がある他に、ピッタ優勢の人に現れる主な特徴には、次のようなものがあります。 •汗をかきやすい、暑がりである •発疹や口内炎など、皮膚や粘膜に炎症が起こりやすい •目や髪の色素が薄め •計画的で完璧主義の傾向 •頭がきれる、聡明であると言われる •何かとイラっとしやすい これらの特徴を見て、「あ、これ私…」と思った方は、ピッタ優勢の体質である、または食事を含む生活習慣のせいでピッタを増大させている可能性が高いです。 そんな方は、今は大丈夫でも、そのうちに一気に白髪が増える、薄毛が気になりだす、ということが大いにあり得ます。 若々しい頭髪を守るためには、ピッタ優勢の人はそうでない人以上に、また元々の体質がヴァータやカパ優勢の人でも、普段からピッタを増悪させないようにケアしておくことがとても重要です。 ピッタ優勢の場合に頭髪の問題が起こりやすいと分かれば、それを防ぐためには、ピッタが今以上に増悪しないようにバランスするケアが有効です。 ピッタを増悪させないケアの問題の根本解決の第一歩は、「原因を断つこと」 まずはピッタが増悪する原因を避けることを最優先しましょう。 ピッタを増悪する生活習慣の例 ・塩っぱい、酸っぱい、辛いものの食べ過ぎ ・熱いものの取りすぎ(暑い時に熱いものを食べる、熱い白湯を飲み過ぎる) ・暑い場所にいる、直射日光を受ける、日焼けをする ・毎日長時間目に光を浴びている(日光、PC、スマホ) ・熱いお風呂に入る ピッタ増悪に影響を与える精神に関する行動例 ・闘争心を異常にかき立てる仕事、趣味(ギャンブルなど) ・肉をよく食べる ・怒りっぽい、イライラしやすい人が周りに多い ・ホラーや暴力シーンなどが多い映画、ドラマなどをよく見る ピッタの原因から遠ざかることができたら、次はピッタをやさしく鎮めてくれるようなケアを取り入れましょう。 生活のヒント ・髪を洗う時のシャワーの温度は、体より低い温度設定で ・暑い日はココナッツウォーターでクールダウン(ココナッツは身体を冷ましてくれます) ・ぶどうや桃など、甘くみずみずしい果物を食事や間食に取り入れる ※太りやすい体質(カパ優勢である傾向)の人は間食ではなく食事と一緒にとりましょう。 ・ヨガの静かな呼吸法や瞑想で自分の中に静けさを保つ時間をもつ ハーブとスパイス ・アーマラキー(サプリメントが便利です) ・コリアンダー水とベチバー水(夏バテ・老化防止にも良い夏の過ごし方《アーユルヴェーダ入門Vol.3》参照) セルフトリートメント ・太白ごま油(100度前後まで熱を加えた(キュアリングした)もの)でのヘッドマッサージ。 夏場はココナッツオイル(冷性)がおすすめ。 ※海外のアーユルヴェーダサイト等で購入可能な薬用オイルでは、ブリンガラージオイル、アーマラキーオイルが髪の健康に特に良いです。 ・太白ごま油を鼻腔に数滴入れる経鼻法「ナスヤ」を行う。 ※ナスヤ用オイル「アヌタイラ」を使うとより効果的。 アーユルヴェーダのセルフケアを実践する時、自身の消化力を気にかけてください。 自分の消化力以上に食べ過ぎたり、冷たい飲み物を飲んでいたりすると、消化力低下の原因になり、それはどんなセルフケアも台無しにしてしまうくらい、健康で若々しい身体にとっての大敵なのです。 健全な消化力という土台がなければ、どんなハーブもサプリメントもトリートメントも効果を発揮できません。 私たちの髪も肌も、全ては今日食べたものからできています。 大切なのは何を食べたかと、もっと大切なのは「どう消化されたか」です。 無理なくきれいに消化されて初めて、健全な血液循環、頭皮・頭髪の形成が行われます。 どんな体質の方も、いつまでも健康で美しい髪を持ち続けるために、ぜひ消化力の見張り番+ピッタをやわらげるセルフケアを続けてみてください。オーガニックな暮らしで自分らしく健康でキレイに