→前回:妊娠を望む女性のために。今すぐはじめたい妊活法《アーユルヴェーダ入門 vol.5》

長い間誰も疑わなかった「油はダイエットや美容の敵である」という常識は、今ではすっかり過去のものとなりました。

それどころか“アンチエイジングのために良い油特集”のような、油を主役とした美容雑誌企画も見られるくらいに、今油は美容と健康にとってなくてはならないものとなりました。

最近は感度の高いグロッサリーショップだけでなく、近所のスーパーの棚にもたくさんの種類の油が並ぶようになり、一体どれを選べば良いのか迷ってしまうくらいですね。

そんな油の選択肢が豊富になった今、皆さんは普段どんな油を使っているでしょうか?

今回は今、何かと話題の油「ギー(ghee)」について。

5000年の歴史をもつアーユルヴェーダの医典で、その働きをどんな風に説明しているのか、また現代の研究で明らかにされているその効果についてご紹介したいと思います。

油の王様、ギーとは?

ギー(ghee)とはバターを加熱して水分、タンパク質を飛ばした純度の高いバターオイルのこと。

古代インドで使われていた言語、サンスクリット語の「ghrta(グルッタ…振りかけるの意)」に由来していて、アーユルヴェーダの飲み薬や塗り薬、下剤などとして使われるほか、ご祈祷や護摩焚きにも使われている神聖な油です。

もちろん現代でもインドをはじめ南アジア諸国で料理に使われているので、日本でインド料理レストランなどに行った時に知らず知らずにギーも食べていた、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんな様々な用途に使われるギーですが、アーユルヴェーダでは「油の王様」として有名で、バター代わりに料理に使われるほか、パンに塗ったり、ホットミルクに入れたりと、毎日の食事でギーを摂ることが勧められています。

油の王様ギーのすごさについて、数千年の間、国を超えて人々にどんな風に伝えられてきたのか、アーユルヴェーダ医学の古典書を少し覗いてみましょう!

〜ギーの効能〜

●身体を涼しくする・軟らかくする
●声をよくする
●肌の色をよくする
●頭痛をやわらげる
●耳の痛みをやわらげる
●消化力を上げる
●消耗している人に力を与える
●痩せ過ぎている人の脂肪を増やす
●精力をつける
●解毒作用を持つ
●記憶力をよくする
●精神の乱れを整える

一緒に摂ることで他の薬草や食物の効能をうまく運び届けるので、「全ての油剤の中で最も優れたものである」と言われる。

このように、消化力、精力、肌や声、脳、痛み、精神など、全方向に隙なし! の“スーパーオイル”ギーですが、今まで日本で話題にならなかったのが不思議なくらいで、間違いなく私たちが毎日の食事に取り入れるべき、最良の油と言えるでしょう。

ギーは万病予防になる?


現代栄養学的にもギーが優れた油であることが各国の研究などで分かってきています。

免疫力アップでアレルギー知らず老化知らずに

ギーはバターと比べて高い濃度の酪酸が含まれるため、それが大腸内を弱酸性化してミネラル吸収率の良さにつながり、肌の潤いや髪のツヤ、骨の老化防止に役立つことが期待できます。

体内に酪酸が増えると大腸粘膜の分泌を促し、腸管を保護してくれて、また腸管運動の支えになるため、便秘解消や腸内炎症を抑制、アレルギー抑制、免疫細胞を増やすことにも繋がると言われています。

※酪酸は食物繊維摂取により腸内で増えることがわかっています。

食事の中で食物繊維もバランスよく摂るように心がけましょう。

他の油とくらべて太りにくい

最近ではサプリメントでも人気の“共役リノール酸”を含むことで、脂肪の「蓄積を抑制」、「燃焼」、「分解」を助けてくれると言われています。

そのため精製していないバターや他の油に比べて、太りにくい油であると言えます。

※摂取して痩せるわけではありません。

もちろん摂りすぎには注意です!

また他の植物油やバターと比較して、高温調理した時に発ガン性があると分かっているアクリルアミドを発生しにくいという研究結果があるため、調理に使う安全な油として、ギーがおすすめできます。

たくさん聞きなれないカタカナの成分名などが出てきましたが、このようにギーについての研究や調査が日々行われています。

調査に関する歴史はまだまだ浅いですが、それでもこれだけ多くの利点が分かってきています。

こんなに使いやすい! ギーの実用性について

•煙点250度以上!お料理に使いやすい

•長期保存が可能

•乳糖不耐症の方も大丈夫

煙点250度以上と高く、焦げにくいのでお料理には最適です。

オメガ3など身体に良い油でも熱を加える料理に使えないものもある中で、ギーはとても使い勝手が良い油です。

また水分やたんぱく質を除いているため、通常のバターよりも長期保存が可能です。

ギーを作ること自体めんどう……という方も、業務用などの大きなバターで一度作ってしまえば、しばらくもちますので、この機会に頑張って作りましょう!(作り方はページ下に)

また日本人に多いと言われる「乳糖不耐症」の方、いわゆる牛乳を飲むとお腹ゴロゴロ…の方でも、精製しているバターはゴロゴロの原因となるカゼインと乳清(ホエイ)プロテインフリーとなるため、安心して食べることができます。

※アレルギー重度の方は医師に相談してください。

ギーの作り方

準備するもの

●無塩バター(作りやすい量400g〜)
※グラスフェッドバターは、牛の餌としてより自然なもの(穀類でなく草)を与えているためにより良質なものを作ることができます。

●ホーロー、またはステンレスの鍋

●ストレーナー(耐熱性のあるザルでも可)

●ろ過紙(油をこすクッキングぺーパーなど)またはさらし

●耐熱保存容器

手順

1.水分のついていない清潔な鍋に無塩バターを入れ、火をつける(最初は中〜強火)。
※バターをあらかじめ大まかに切っておくと早く溶ける

2.バターが全て溶けてからは弱〜中火で加熱し続ける。
鍋底が焦げないように注意して見ておく。(加熱中にその場を離れないこと)

3.次のような状態が見られたら、そろそろ出来上がりのサイン。

•蒸気が少なくなってきた
•バターの透明度が上がり、鍋底がよく見えるようになってきた
•バターの表面に大きくブクブクと出来ていた泡が小さくなり、音も静かになってきた

焦がさないように1〜2分のうちに火を止めましょう。

4.ストレーナーとろ過紙をセットした耐熱保存容器に、ギーを注いで漉す。

5.常温まで冷めたら、しっかり蓋をして冷蔵庫で保存する。

どこで購入できる?

作るのが面倒という人は、全国のナチュラルローソン、カルディコーヒーファーム、成城石井、北野エースなどのショップで購入可能です。

また、オンラインで購入することもできます。

ギー・イージー 100g(グラスフェッド・ギー) /1343 円

100% オーガニックギー(Ghee)バター, 8oz/1850円

最後にワンポイントアドバイス

もし現在健康のために飲んでいるハーブや漢方などがあれば、アーユルヴェーダが教えるように、ギーと一緒に飲んでみるのが良いかもしれません。

ギーはギー自身の良いところをそのまま持ちながら、一緒に飲む薬草の薬効を届けたい部分に運んでくれる働きをすると言われています。

ギーは身体と精神に良い影響を与えるだけでなく、他の食材や薬剤の効果の手助けまで一手に担う、まさに「油の王様」の名にふさわしく頼もしい存在です。

 

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