前回:冬は健康的に美しくなれるチャンス!よく食べ、よく動く冬の養生法《アーユルヴェーダ入門 vol.7》


新年あけましておめでとうございます。

今年もアーユルヴェーダ入門をどうぞよろしくお願いいたします!

新しい年の始まりは、何とも清々しく、新しい良いことが始まりそうなワクワク感に包まれるので、一年の中で最も好きなシーズンの一つです。

皆さんどんな新年を迎えているでしょうか。

年末年始は、忘年会や新年会など何かとイベントが多い時期ですから、もしかすると新年の清々しい気持ちとは裏腹に、身体の方は結構お疲れ…という人も多いかもしれませんね。

私も自分にとっては随分珍しいことなのですが、頭皮がカサカサして痒くなるという現象がしばらく続いたり、顔の皮膚のたるみやシワが急に増えたんじゃない!? と感じることが度々あったりして、この冬は何かと肌トラブルが多い日を過ごしていました。

振り返ると、もう何年も続けていた月2回のファスティング(断食)を、人と会う機会が多く外食しがちになったことを理由に、2017年夏以降いつの間にかやめてしまっていたり、料理する時間を削って他のことを優先して、出来合いのものを食べていたりと、知らぬ間に毒素たっぷりの体が出来上がっていたのかもしれません。

でもあることをきっかけに、そのたるみシワが消えていたことに気が付いたのです!

そこで今回のアーユルヴェーダ入門は、お肌のアンチエイジングについてです!

特にこの季節多くの人が悩まされる、乾燥や肌荒れにテーマを絞って見ていきましょう。

季節のドーシャを知る 〜移り変わる五大元素のエネルギー〜

私たちの身体にあるドーシャ(空風火水地の5つの要素で出来た生命エネルギー)は、毎シーズン、毎日、刻々と変化しています。

(ドーシャについては、「薄毛、白髪の悩みを改善? アンチエイジング頭髪編《アーユルヴェーダ入門 vol.4》」を参照)

一年の中で冬本番を迎えた今の季節は、ヴァータ(風+空)カパ(水+地)ドーシャが優勢になりますが、お肌の乾燥や荒れは、主に〈乾燥する〉性質を持っているヴァータの仕業と考えられます。

もともと生まれ持った体質や、今の体の状態として、ヴァータ(空・風=乾燥・冷える・よく動くなどの特徴を持つ)の要素が多い人は、寒い季節は他の人よりもいっそう寒さが身にこたえているはず。

お肌の状態もやはり比較的乾燥しがちで、頰や唇、手足がガサガサで保湿クリームが手放せない…という人も多いでしょう。

そんな人は特に今回ご紹介するセルフケアを冬の間しっかり行って、念入りにお手入れしてくださいね。

ヴァータ要素が比較的少ない体質・体調の人ももちろん、油断せずに乾燥がひどくならないように、予防のためにしっかりケアしておきましょう!

体内から美しく。お肌のためにも冬の養生法を

「今日顔色がいいね」「お肌つやつやで、今日オーラ輝いてる!」なんて言われると嬉しくて気分も上がりますよね。

私たちは誰から教えられるでもなく、お肌の色つやを見て感じることで、心身の調子を直感的に知る力を持っています。

あまりにも当たり前なのだけれど、日ごろ忘れがちなことは、「毎日食べるもの」と、それを身体の組織に変化させる「消化力」が働いた結果が、紛れもなく私たちの体と心であり、お肌はそれが分かりやすく身体の表に出ている器官であるということです。

だからこそ私たちはお肌の状態を見ることで、身体や心がどんな状態なのかを知ろうとするし、それはほとんどの場合に、間違いないのです。

そこで、もうお気付きのことと思いますが…

アーユルヴェーダでお肌のケアと言えば、色とりどりの目新しいハーブを使った楽しいフェイスパック……ではないのです!

もちろんそれもケアの一部として取り入れることは、何もやらないよりはマシですが、根っこにある原因を放っておいて、トラブルが起こってからそれに対処するためのパックやクリームに頼ってしまうのは、その場しのぎに過ぎず、結局お肌トラブルを繰り返すことになってしまいます。

そこで一番に取り掛からなければいけないのは、美しい肌=健康的な身体を作るための食事法や生活習慣の見直しです。

私のこの冬のお肌トラブルも、何がきっかけとなってすっかりトラブル解消!となったかというと…実はその後熱を出してお肌だけでなく全身ぐったりというところまで来てしまいました。

そして、強制的に外食や出来合いのものなし、夜更かしなし、テレビもスマホもなしという生活になって、おかゆとりんごとお白湯(プラス病院で処方された漢方薬)で丸2日休んだら、熱が下がっただけでなく、たるみとシワもすっきり解消!体内デトックスが完了して、お肌にもしっかりその効果が表れてくれたのでした。

まずは皆さんも、前回ご紹介しました季節によるヴァータの乱れを整えるための「冬の養生法」を守れているかどうか、毎日の生活をチェックしてみてくださいね。

冬の養生法おさらい

飲食物は常温以上のものを摂っていますか?

火を通した食事を心がけていますか?

冬の汗冷え対策をしていますか?

体温調節可能な衣類を選んでいますか?

温めるスパイス、白湯、ごま油のマッサージ続けていますか?

あまりにも多くの情報が溢れる今の世の中で、最新の美容グッズや高価な化粧品はとても魅力的に見えますが、実は一番効果的な解決策は、自分自身の毎日の生活を振り返ってみると、その中にヒントがあることが多いものですよ。

アーユルヴェーダハーブで美肌を育てよう


アーユルヴェーダの古典では、皮膚トラブルの改善や美肌維持のためにとっても優秀なハーブを紹介しています。

これらは言わば先人たちが私たちに残してくれた、昔から変わることのない大切な智慧。

私たちはそれを受け継いで、健康で若々しい毎日のために、生活法と合わせて活用していきましょう。

皮膚に良いハーブ類

アーマラキー

荒れ、炎症のない健康な肌、白い肌のために。

一般的な強壮剤、髪のアンチエイジングにも。

サプリメントを飲んだり、水やミルク、植物油(オリーブオイル、アーモンド、ホホバ、アプリコットなど)でペースト状にしてフェイスパックとしても使えます。

アーマラキーパウダー/20g 250円

ニーム

ニームパウダー/20g 210円

ニキビ、炎症、しもやけなど、積極的に改善したい皮膚トラブルがある時に。

サプリメントを飲んだり、水やオリーブオイル、アーモンドオイル等で溶いてペーストを患部に貼っても。

また患部が広い場合は、ニーム粉をお湯に溶かして部分浴もおすすめです。

サフラン


サフラン/899円(税込)

血液をきれいにしてくれると言われる。

血液の状態=皮膚の状態と考えることから。

牛乳に1〜2本入れて火にかけ、ホットミルクとして飲む。

お好みできび砂糖を入れても。

最近はスーパーのスパイス売り場などでも簡単に手に入ります。

ターメリック


ハラール・有機JAS ターメリックパウダー 50g/680円(税込)
抗アレルギーハーブとして有名。

アレルギーによる皮膚の痒みに。

花粉症の目や喉の痒みにも使われる。

そのまま粉薬のようにして飲んだり、ホットミルクに混ぜて飲んでも。

こちらも最近はスパイス売り場でお馴染みとなりました。

輝く美肌のためのセルフマッサージ

入浴(シャワー)前のセルフケア

1.絹の手袋での乾布摩擦(ガルシャナ)

-冬の季節、特に乾燥が激しい人は、優しく毛並みに沿うようにさする。

-朝、これから活動開始で、元気を出したい時には、毛並みに逆らうように。

※夜はガルシャナなしで、ごま油マッサージのみでもOK

2.ごま油の全身マッサージ


①できれば全身にオイルを塗ることが理想ですが、時間がない時は、足首より下と耳、そして特に乾燥する部分だけでもオイルを塗って簡単にマッサージしましょう 

②あたため(シャワーまたは入浴)

※マッサージの後は、ボディソープなどでオイルを落とし過ぎないように、気を付けましょう。

美肌のために控えたいもの(こと)

※肌の乾燥予防に限らず、一般的に美肌のために避けたいものをご紹介します。

アルコールの飲みすぎ(体の中から乾燥させたり、皮膚の炎症などの原因になりうるため。)

塩っぱいもの食べ過ぎ(特に海塩で味付けされたものに注意。※塩は、若返りと強精のためには岩塩がすすめられています。)

塩(海塩岩塩とも)と牛乳を一緒に摂ること(皮膚病の原因となるためアーユルヴェーダの食事法でNGとされるため。)

油抜きダイエット(極端な油抜きは、乾燥の原因に)
 
 

アンチエイジングお肌編いかがでしたでしょうか。

季節にあった生活法をベースに、自分自身の中に備わっている『若返り力』をまずは底上げして、プラスお肌のためのハーブやオイルなどの力を借りて、乾燥や肌荒れに負けない、輝く素肌を手に入れてください!

 
 
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