前回:《アーユルヴェーダ入門Vol.8》シミやたるみを無くしていつまでも潤う肌へ。アンチエイジング肌編。
長かった寒い冬を越え、もう間もなく色鮮やかな春がやって来ますね。
新しい始まりの季節を前に、最近はいつにも増して忙しい日々を送っている人も多いのではないでしょうか。
今回の「アーユルヴェーダ入門」では、忙しくても毎日元気でキレイでいたい!と願う人のために、これまでも何度か登場している、アーユルヴェーダの必須アイテム、毎日使いたい魔法のオイル『ごま油』にフォーカスして、その使い方と作り方を詳しくご紹介します。
アーユルヴェーダにとってごま油は最良のマッサージオイル
ゴマ成分のサプリメントや健康食品がテレビCMなどで紹介されるようになり、何となく「ごまは健康に良いもの」、というのが共通の認識のようになっています。
アーユルヴェーダでは、ゴマそのものを食べたり、有効成分だけを抽出して服用したりするのではなく、「ゴマの油を絞って熱処理し、浄化されたものを皮膚や粘膜から体内に吸収させる」という方法で健康を保つことが伝えられています。
ごま油を体に塗るなんて!と奇妙に思うかもしれませんね…自分が中華風味になるんじゃないか?!とかね…
でもご安心ください!アーユルヴェーダが使うごま油は、いわゆる私たちが馴染みのある、香ばしい焙煎された茶色のごま油ではなく、焙煎されていない透明のごま油です。
少し黄色味がかった透明で無臭のオイルですから、例えば美容オイルのホホバやスイートアーモンドオイルなどと一緒で、皮膚に塗ったとしても気持ち悪さはないです。
(オイル自体塗ることに慣れていない場合は、気持ち悪く感じる人もいるかもしれません。)
アーユルヴェーダでは、ごま油の他にもココナッツオイル、ひまわり油、ヒマシ油、マスタードオイルなど18種類ほどのオイルをマッサージなどに使いますが、その中でもごま油が最良のものと考えられています。
それは、健康な人の体力増強やアンチエイジングに、そして少し不調がある人の疲労回復やリラクゼーションに、またインドの病院では様々なヴァータ(風+空)由来の病(痛み、こわばり、麻痺、痺れ、痙攣など多数)に対して、薬草の煎じ液と混ぜて薬用オイルとして使われるなど、実に多くの人に使えるオイルだからです。
ごま油はヴァータが持つ性質(乾燥、冷え、軽い、不安定などの性質)とまるで反対の性質(しっとりしている、温める、重い、安定させる)を持っているため、様々な原因で過剰になったヴァータをバランスするために多く使われています。
さらにアーユルヴェーダの古典書が言うには、世の中に存在する病のうち大半がヴァータに由来するものであり、それらを癒すことができるごま油は、まさに最良の油という名に相応しく、ありがたい存在なのです。
(※内服ではなく、外用する油の中で最良。内服はギーが最も良いとされます。)
私たちができるだけ遅らせたい老化に対しても、ごま油はその力を発揮してくれます。
これまでアーユルヴェーダ入門では、老化はヴァータの力によって加速するということをお伝えして来ました。
このヴァータと正反対のごま油でマッサージやうがいなどを日々行うことで、お肌や髪など見た目だけではなく、視力・聴力など五感(感覚器官)の老化による衰えを遅らせることが期待できます。
では、早速ごま油の準備方法と使い方、そして気をつける点について見ていきましょう!
マッサージ用のごま油を作る
ごま油のキュアリング(浄化)
透明のごま油をそのまま使っても構いませんが、キュアリングと呼ばれる熱処理を行うことが勧められています。
熱処理を行うことで、油の中の揮発成分や水分を飛ばして精製・浄化するようなイメージです。
キュアリングをすると皮膚が油を吸収するスピードが格段に早くなることを感じると思います。
キュアリングは油を皮膚に馴染み良くし、消化しやすくするばかりでなく、ごま油の成分に変化を起こさせ、抗酸化力(劣化しにくくする力)をアップさせることが分かっています。
生搾りごま油には、元々リグナン類の「セサモリン」「セサミノール」などの抗酸化機能をもつ成分が含まれますが、熱することでその抗酸化力をアップさせることができるのです。
他の油類に比べて元々抗酸化力の高いごま油ですが、熱処理によりそれをさらに強化することができるので、マッサージ等に使うオイルもぜひパワーアップさせたオイルを使いたいですね。
熱処理の仕方
①透明のごま油を鍋にあけ、火にかけ100度前後まで熱します。
熱しすぎると油に火がつく危険がありますので、できれば調理用温度計を使って温度管理をすることをおすすめします。
②100度前後まで温度を上げたら火を止め、そのまま常温に冷めるまで置きます。
冷めたら元の容器に戻して冷暗所で保存しましょう。(消費期限を目安に使い切りましょう。)
油を熱するのが不安…または、ちょっと面倒だな…という方は、キュアリング済みのオイルを購入することも出来ますので、無理のない方法で続けましょう!
Sesame Oil(肌油)500m 2,052円 (税込)
ごま油の使い方いろいろ
頭部・耳・足の3点(または全身)マッサージ+発汗
頭部と両耳、足(くるぶしから下)にオイルを塗ってマッサージをします(オイル塗布とマッサージの順番は、上から下に向かって、頭→耳→足の順で)。
時間に余裕がある時には、3点だけでなく、首や肩、腰、腕、脚など全身をオイルマッサージするとさらに良い効果が期待できます。
マッサージ後は、オイルを石鹸などで落としすぎることがないように、軽く洗いましょう。
その後出来るだけ入浴などで汗をかくことをおすすめします。
湯船には入れない時は、熱めのシャワーで身体を温めましょう。
頭部
・ごま油を小さじ2〜3ほど手に取り、両手で擦り合わせ、まずは頭頂に塗布する。
・ごま油を頭皮全体に塗りこむようにマッサージする。髪ではなく頭皮にオイルがつくようにすること。(オイルが足りなくなったら適宜足す)
・全頭にオイルが行き渡ったら5分以上置いてから通常通りにシャンプーする。
トリートメントなどもいつも通りで大丈夫です。
耳
・耳全体にオイルをつけてマッサージします。少し耳がポカポカしてくるまで続けましょう。
・続けて綿棒にオイルを染み込ませ、耳の中にオイルを塗布します。奥まで入れ過ぎないように注意しましょう。寒気が耳から入り悪さをするのを防いでくれるのでおすすめです。
・耳の中は拭かずに、オイルがついたままにしておきます。
・オイルを湯煎などで温めておくと、塗布した時に気持ちが良く、リラックス効果があります。
耳はヴァータの棲み家と言われていますので、寒い時、疲れを感じた時、慌ただしさで頭痛がある時などに行うと特に良いです。
ボディ(または足のみでも)
・全身にオイルを塗布して、強過ぎない気持ち良い程度の力でマッサージします。念入りなマッサージは必要ありません。時間のない時はオイルを塗布するだけでも大丈夫です。
・肩や腰、膝など痛みがある場合には特にしっかりとオイルを塗り、痛くない程度にマッサージしましょう。
・足裏のオイルマッサージは、特に眼精疲労や視力回復など目の健康に良いとされています。
※リウマチ、痛風の場合には、オイルの種類を問わず、セルフオイルマッサージはおすすめできません。
アーユルヴェーダクリニックなどの専門医に相談してください。
ハタイクリニックウェブサイトリンク
鼻のケア
いよいよ今年も花粉症の辛い季節が始まってしまいましたね。
辛い症状の緩和に一役買ってくれるのが、オイルでの鼻孔ケアです。
鼻孔にオイルを数滴垂らすというこのセルフケア法は、花粉症を始めとするアレルギー性鼻炎の諸症状の緩和だけでなく、顔を含む頭部全体の老廃物(痰や鼻水など)を取り除いて、口臭を防いだり、頭部の鈍重感を無くして気持ちもすっきりさせてくれます。
そして老化による視覚・嗅覚・聴覚の衰えや白髪・抜け毛を防いだり、何と顔のシワ、シミまで防いでくれるというのです!やらない手はありませんね!
頭部やボディと違い、鼻孔にオイルを入れる時には少しコツが必要になりますので、詳しくその方法を説明します。
①仰向けに寝て、オイルを入れても垂れてこないように、首を少しそらす。
②慣れるまでは鏡で見ながら、片方の鼻孔にオイルを2滴入れる。
(スポイト付きの容器や先が細い容器にオイルを入れ替えておくとやりやすい)
③オイルがまだ入っていない方の鼻孔を指で完全に閉じて、オイルを吸い込むように空気を吸う。
④もう一方の鼻孔も同じようにしたら、1~2分仰向けのままでいる。
⑤ぬるま湯ですっきりするまでうがいをする。(冷たい水は避けること)
⑥その後も痰や鼻水が出る場合は、都度出して、飲み込んだり、すすったりしないこと。
ごま油を鼻に入れても、痛みは感じませんが、ひどく違和感を感じる場合は、使用を中止しましょう。
この他にもごま油は口内のケアに使われたり、ピチュと言って湿布のように当てておくという使い方があったり、私も初めて聞いた時には度肝を抜かれたのですが、浣腸のように使ったりすることもあるのです。
また機会がある時に、その中でもセルフケアに使えそうなものをまたご紹介したいと思います。
それでは最後に、ごま油のセルフケアに期待できることの復習と、こんな時は使ってはいけない、という禁忌についてまとめておきます。
何千年も脈々と受け継がれてきた伝承医学であるアーユルヴェーダは、始めてみたらそのパワーの偉大さに気づくはずです。
それだけに、間違った使い方をすると体に良くない影響が出てしまう可能性もありますので、使い方には十分注意して行ってくださいね。
セルフケアが心配な人は、まずはアーユルヴェーダサロンに行って、正しい知識を持ったセラピストさんのトリートメントを受けたり、ケア方法を直々に教えてもらったりすると安心です。
アーユルヴェーダサロンってどんなところ?という方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
素晴らしい体験記ですよ。
アーユルヴェーダサロンってどんなところ?産後に体の不調を感じてインドの伝統医学を体験してみた。
魔法の若返りオイル・ごま油ケアに期待できること
疲労回復、気分がすっきりする
不眠の解消、ストレス軽減・リラックス
体力・抵抗力が増す
皮膚感覚など感覚器官を丈夫に若く保つ
冷え改善
目の疲れの解消・視力回復
白髪・抜け毛の予防
口臭予防
アレルギー性鼻炎症状の緩和
など
ごま油ケアで気をつけること
食事直後に行わないこと(直後でなくても、お腹がいっぱいの時や胃腸の調子が良くない時は避ける)
熱がある時は避けること
生理中
お酒を飲んだ後
鼻のケアは5歳以下の小児には行わないこと
浴室でマッサージを行う場合は、滑りやすいので転倒に注意してください。
肌に合わない場合は、中止しましょう。
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長かった寒い冬を越え、もう間もなく色鮮やかな春がやって来ますね。
新しい始まりの季節を前に、最近はいつにも増して忙しい日々を送っている人も多いのではないでしょうか。
今回の「アーユルヴェーダ入門」では、忙しくても毎日元気でキレイでいたい!と願う人のために、これまでも何度か登場している、アーユルヴェーダの必須アイテム、毎日使いたい魔法のオイル『ごま油』にフォーカスして、その使い方と作り方を詳しくご紹介します。
アーユルヴェーダにとってごま油は最良のマッサージオイル
ゴマ成分のサプリメントや健康食品がテレビCMなどで紹介されるようになり、何となく「ごまは健康に良いもの」、というのが共通の認識のようになっています。
アーユルヴェーダでは、ゴマそのものを食べたり、有効成分だけを抽出して服用したりするのではなく、「ゴマの油を絞って熱処理し、浄化されたものを皮膚や粘膜から体内に吸収させる」という方法で健康を保つことが伝えられています。
ごま油を体に塗るなんて!と奇妙に思うかもしれませんね…自分が中華風味になるんじゃないか?!とかね…
でもご安心ください!アーユルヴェーダが使うごま油は、いわゆる私たちが馴染みのある、香ばしい焙煎された茶色のごま油ではなく、焙煎されていない透明のごま油です。
少し黄色味がかった透明で無臭のオイルですから、例えば美容オイルのホホバやスイートアーモンドオイルなどと一緒で、皮膚に塗ったとしても気持ち悪さはないです。
(オイル自体塗ることに慣れていない場合は、気持ち悪く感じる人もいるかもしれません。)
アーユルヴェーダでは、ごま油の他にもココナッツオイル、ひまわり油、ヒマシ油、マスタードオイルなど18種類ほどのオイルをマッサージなどに使いますが、その中でもごま油が最良のものと考えられています。
それは、健康な人の体力増強やアンチエイジングに、そして少し不調がある人の疲労回復やリラクゼーションに、またインドの病院では様々なヴァータ(風+空)由来の病(痛み、こわばり、麻痺、痺れ、痙攣など多数)に対して、薬草の煎じ液と混ぜて薬用オイルとして使われるなど、実に多くの人に使えるオイルだからです。
ごま油はヴァータが持つ性質(乾燥、冷え、軽い、不安定などの性質)とまるで反対の性質(しっとりしている、温める、重い、安定させる)を持っているため、様々な原因で過剰になったヴァータをバランスするために多く使われています。
さらにアーユルヴェーダの古典書が言うには、世の中に存在する病のうち大半がヴァータに由来するものであり、それらを癒すことができるごま油は、まさに最良の油という名に相応しく、ありがたい存在なのです。
(※内服ではなく、外用する油の中で最良。内服はギーが最も良いとされます。)
私たちができるだけ遅らせたい老化に対しても、ごま油はその力を発揮してくれます。
これまでアーユルヴェーダ入門では、老化はヴァータの力によって加速するということをお伝えして来ました。
このヴァータと正反対のごま油でマッサージやうがいなどを日々行うことで、お肌や髪など見た目だけではなく、視力・聴力など五感(感覚器官)の老化による衰えを遅らせることが期待できます。
では、早速ごま油の準備方法と使い方、そして気をつける点について見ていきましょう!
マッサージ用のごま油を作る
ごま油のキュアリング(浄化)
透明のごま油をそのまま使っても構いませんが、キュアリングと呼ばれる熱処理を行うことが勧められています。
熱処理を行うことで、油の中の揮発成分や水分を飛ばして精製・浄化するようなイメージです。
キュアリングをすると皮膚が油を吸収するスピードが格段に早くなることを感じると思います。
キュアリングは油を皮膚に馴染み良くし、消化しやすくするばかりでなく、ごま油の成分に変化を起こさせ、抗酸化力(劣化しにくくする力)をアップさせることが分かっています。
生搾りごま油には、元々リグナン類の「セサモリン」「セサミノール」などの抗酸化機能をもつ成分が含まれますが、熱することでその抗酸化力をアップさせることができるのです。
他の油類に比べて元々抗酸化力の高いごま油ですが、熱処理によりそれをさらに強化することができるので、マッサージ等に使うオイルもぜひパワーアップさせたオイルを使いたいですね。
熱処理の仕方
①透明のごま油を鍋にあけ、火にかけ100度前後まで熱します。
熱しすぎると油に火がつく危険がありますので、できれば調理用温度計を使って温度管理をすることをおすすめします。
②100度前後まで温度を上げたら火を止め、そのまま常温に冷めるまで置きます。
冷めたら元の容器に戻して冷暗所で保存しましょう。(消費期限を目安に使い切りましょう。)
油を熱するのが不安…または、ちょっと面倒だな…という方は、キュアリング済みのオイルを購入することも出来ますので、無理のない方法で続けましょう!
Sesame Oil(肌油)500m 2,052円 (税込)
ごま油の使い方いろいろ
頭部・耳・足の3点(または全身)マッサージ+発汗
頭部と両耳、足(くるぶしから下)にオイルを塗ってマッサージをします(オイル塗布とマッサージの順番は、上から下に向かって、頭→耳→足の順で)。
時間に余裕がある時には、3点だけでなく、首や肩、腰、腕、脚など全身をオイルマッサージするとさらに良い効果が期待できます。
マッサージ後は、オイルを石鹸などで落としすぎることがないように、軽く洗いましょう。
その後出来るだけ入浴などで汗をかくことをおすすめします。
湯船には入れない時は、熱めのシャワーで身体を温めましょう。
頭部
・ごま油を小さじ2〜3ほど手に取り、両手で擦り合わせ、まずは頭頂に塗布する。
・ごま油を頭皮全体に塗りこむようにマッサージする。髪ではなく頭皮にオイルがつくようにすること。(オイルが足りなくなったら適宜足す)
・全頭にオイルが行き渡ったら5分以上置いてから通常通りにシャンプーする。
トリートメントなどもいつも通りで大丈夫です。
耳
・耳全体にオイルをつけてマッサージします。少し耳がポカポカしてくるまで続けましょう。
・続けて綿棒にオイルを染み込ませ、耳の中にオイルを塗布します。奥まで入れ過ぎないように注意しましょう。寒気が耳から入り悪さをするのを防いでくれるのでおすすめです。
・耳の中は拭かずに、オイルがついたままにしておきます。
・オイルを湯煎などで温めておくと、塗布した時に気持ちが良く、リラックス効果があります。
耳はヴァータの棲み家と言われていますので、寒い時、疲れを感じた時、慌ただしさで頭痛がある時などに行うと特に良いです。
ボディ(または足のみでも)
・全身にオイルを塗布して、強過ぎない気持ち良い程度の力でマッサージします。念入りなマッサージは必要ありません。時間のない時はオイルを塗布するだけでも大丈夫です。
・肩や腰、膝など痛みがある場合には特にしっかりとオイルを塗り、痛くない程度にマッサージしましょう。
・足裏のオイルマッサージは、特に眼精疲労や視力回復など目の健康に良いとされています。
※リウマチ、痛風の場合には、オイルの種類を問わず、セルフオイルマッサージはおすすめできません。
アーユルヴェーダクリニックなどの専門医に相談してください。
ハタイクリニックウェブサイトリンク
鼻のケア
いよいよ今年も花粉症の辛い季節が始まってしまいましたね。
辛い症状の緩和に一役買ってくれるのが、オイルでの鼻孔ケアです。
鼻孔にオイルを数滴垂らすというこのセルフケア法は、花粉症を始めとするアレルギー性鼻炎の諸症状の緩和だけでなく、顔を含む頭部全体の老廃物(痰や鼻水など)を取り除いて、口臭を防いだり、頭部の鈍重感を無くして気持ちもすっきりさせてくれます。
そして老化による視覚・嗅覚・聴覚の衰えや白髪・抜け毛を防いだり、何と顔のシワ、シミまで防いでくれるというのです!やらない手はありませんね!
頭部やボディと違い、鼻孔にオイルを入れる時には少しコツが必要になりますので、詳しくその方法を説明します。
①仰向けに寝て、オイルを入れても垂れてこないように、首を少しそらす。
②慣れるまでは鏡で見ながら、片方の鼻孔にオイルを2滴入れる。
(スポイト付きの容器や先が細い容器にオイルを入れ替えておくとやりやすい)
③オイルがまだ入っていない方の鼻孔を指で完全に閉じて、オイルを吸い込むように空気を吸う。
④もう一方の鼻孔も同じようにしたら、1~2分仰向けのままでいる。
⑤ぬるま湯ですっきりするまでうがいをする。(冷たい水は避けること)
⑥その後も痰や鼻水が出る場合は、都度出して、飲み込んだり、すすったりしないこと。
ごま油を鼻に入れても、痛みは感じませんが、ひどく違和感を感じる場合は、使用を中止しましょう。
この他にもごま油は口内のケアに使われたり、ピチュと言って湿布のように当てておくという使い方があったり、私も初めて聞いた時には度肝を抜かれたのですが、浣腸のように使ったりすることもあるのです。
また機会がある時に、その中でもセルフケアに使えそうなものをまたご紹介したいと思います。
それでは最後に、ごま油のセルフケアに期待できることの復習と、こんな時は使ってはいけない、という禁忌についてまとめておきます。
何千年も脈々と受け継がれてきた伝承医学であるアーユルヴェーダは、始めてみたらそのパワーの偉大さに気づくはずです。
それだけに、間違った使い方をすると体に良くない影響が出てしまう可能性もありますので、使い方には十分注意して行ってくださいね。
セルフケアが心配な人は、まずはアーユルヴェーダサロンに行って、正しい知識を持ったセラピストさんのトリートメントを受けたり、ケア方法を直々に教えてもらったりすると安心です。
アーユルヴェーダサロンってどんなところ?という方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
素晴らしい体験記ですよ。
アーユルヴェーダサロンってどんなところ?産後に体の不調を感じてインドの伝統医学を体験してみた。
魔法の若返りオイル・ごま油ケアに期待できること
疲労回復、気分がすっきりする
不眠の解消、ストレス軽減・リラックス
体力・抵抗力が増す
皮膚感覚など感覚器官を丈夫に若く保つ
冷え改善
目の疲れの解消・視力回復
白髪・抜け毛の予防
口臭予防
アレルギー性鼻炎症状の緩和
など
ごま油ケアで気をつけること
食事直後に行わないこと(直後でなくても、お腹がいっぱいの時や胃腸の調子が良くない時は避ける)
熱がある時は避けること
生理中
お酒を飲んだ後
鼻のケアは5歳以下の小児には行わないこと
浴室でマッサージを行う場合は、滑りやすいので転倒に注意してください。
肌に合わない場合は、中止しましょう。
#アーユルヴェーダの記事をさらにチェック!!加藤 優子NPOのアーユルヴェーダスクールの運営チーム兼アーユルヴェーダ講師。個人的にアーユルヴェーダを全く知らない人にも分かりやすく、そのコンセプトに触れてもらうための初心者講座を開いたり、カフェでハーブやスパイスを感じてもらえるメニューを提供する、アーユルヴェーダ普及プロジェクト「スダルマ」を2016年スタート。その他、海外からアーユルヴェーダドクター来日時には、講座やカウンセリングの通訳も行う。
スダルマウェブサイトmotto
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