「妊娠したいな」と考えている人や、現在妊活をしている人の中には、「葉酸」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。葉酸は、お腹の中の赤ちゃんの成長にとって非常に大切で欠かすことのできない栄養素のひとつです。葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんに悪い影響が出てしまう可能性があります。

今回は、葉酸は私たちの身体の中でどのような効果をもたらすのか、なぜ妊活中の人や妊娠中には葉酸が必要なのか、葉酸はお腹の赤ちゃんにどのように影響するのか、いつから葉酸を摂取する必要があるのかなどについてご紹介します。

葉酸は「水溶性ビタミン」の1種である

葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、別名プテロイルグルタミン酸とも呼ばれています。ビタミンは「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」の2種類に分けられ、葉酸はビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、B12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンCと同じ水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB群と呼ばれています。

葉酸はもともと、悪性貧血予防の研究をしている時に発見された栄養素です。今から70年以上も前の1941年に、アメリカの学者がほうれん草の中から貧血を改善する成分を発見し、その成分が「葉酸」と名付けられました。ほうれん草や小松菜などのいわゆる「葉物」の野菜に多く含まれている成分であったことから、「葉酸」と名付けられたと言われています。

葉酸は、赤血球の形成に大きく関わる栄養素である

葉酸は、私たちの身体の中でほかのビタミンと同じように「補酵素(酵素の特定の物質を補助する役割)」として働いており、ビタミンB12とともに赤血球の形成に大きくかかわっている栄養素です。

葉酸やビタミンB12を摂取することにより、血中のホモシステイン濃度(血液に含まれるアミノ酸)を低下させることができます。ホモシステイン濃度が高いと、心臓疾患や動脈硬化などを引き起こすリスクが高くなると言われています。

葉酸の効果を高めるためには、ビタミンB12を一緒に摂取することが必要

葉酸は、同じく「補酵素」として体内で変換される「ビタミンB12」と一緒に摂取することをおすすめします。葉酸は、ビタミンB12とともに造血作用(血液が生成される作用)を発揮します。また、身体の中でエネルギーを作ったり、たんぱく質を合成する働きもあります。ビタミンB12を一緒に摂ることによって、葉酸の持つ効果は活性化されるのです。

ビタミンB12は、野菜や果物などの植物性食品にはほとんど含まれていないことが特徴で、肉や魚、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。そのため、肉や魚などを口にしないベジタリアンの人は、ビタミンB12の欠乏症になりやすいと言われています。動物性食品の中でも、あさり、ほたて、さんま、いわし、たらこなどの魚介類にビタミンB12は多く含まれているため、これらを摂取するように意識するとよいでしょう。

また、葉酸の場合は摂りすぎると過剰摂取につながることがありますが、ビタミンB12の場合はそのような心配はないため、食べる量などをあまり気にする必要はないでしょう。

過去に妊活を行っていた芸能人

「妊活」という言葉は、ここ数年で広く知られるようになってきたのではないでしょうか。芸能人の中でも、妊活を行った結果、子どもを授かった方もいます。

大島美幸(お笑い芸人)

人気女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さんは、身体を張ったユニークな芸風で多くの番組に出演していましたが、2014年5月に、妊娠を目的とした「妊活休業」を発表しました。夫である放送作家の鈴木おさむさんも病院に検査に行くなど、夫婦で妊活に取り組みました。過去には流産や子宮筋腫の手術なども経験しましたが、人工授精によって妊娠し、2015年に男の子を出産しました。鈴木おさむさんのブログでは、夫婦でのびのびと子育てに取り組む様子が紹介されています。

矢沢心(タレント)

2007年に、元K-1世界王者である魔裟斗さんと結婚したタレントの矢沢心さん。もともと生理不順などの症状を抱えていた矢沢さんは、結婚後から不妊治療を始めました。流産なども経験しましたが、あきらめず不妊治療などをつづけ、人工授精に成功。2012年に1人目の女の子を出産し、自身の妊活体験を綴った本も話題となりました。ました。2014年には、自然妊娠で授かった2人目となる女の子を出産して2人のお子さんの子育てに取り組み、ママタレントとしても活躍しています。

妊娠前から葉酸を摂取していた芸能人

また、妊娠前から葉酸を摂取しつづけ、妊娠・出産を経験した芸能人の方もいます。

東尾理子(タレント)

石田純一さんの妻であるタレントの東尾理子さんは、2016年3月に、40歳で2人目の女の子を出産したことが話題となりました。東尾さんは1人目の男の子を37歳の時に出産するという、一般的に言うと「高齢出産」であったにも関わらず、2人のお子さんを妊娠・出産し、世の女性たちに勇気を与えました。

葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作るのに欠かせない栄養素

葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作るのにとても重要な役割を持っている栄養素です。知らない人もいるかもしれませんが、妊娠初期にあたる妊娠6週目には、実は胎児の脳や神経系はお腹の中でほとんどできあがっているのです。妊娠6週目は妊娠してから約1ヶ月半頃ですから、中にはまだ妊娠に気がつかずに過ごしている女性もいます。

もちろん個人差はありますが、一般的には妊娠5週目頃から生理が遅れていることに気がついて妊娠検査薬を使ったり、人によってはつわりなどの症状が表われてきます。妊娠6週目には、胎児はお母さんのお腹の中でコーヒー豆ほどの大きさに成長し、超音波などで大きさを測定できる時期にあたります。

つまり、まだコーヒー豆ほどの小さな大きさであるにも関わらず、その頃にはすでにお母さんのお腹の中で、赤ちゃんの脳や神経のほとんどができているということになります。そのため、この時期に葉酸が不足していると、赤ちゃんの脳や神経の発達に影響が出てしまうことがあるのです。

ですから、妊娠が判明してから葉酸を摂りはじめるのは本来遅く、「妊娠したい」と考えはじめた段階や、妊活を行っている段階で、葉酸を日常的に摂取しておく必要があるのです。

葉酸は、胎児の細胞分裂や増殖を助ける役割を持つ

葉酸は、細胞の新陳代謝を行う「核酸」の合成に欠かせない栄養素です。核酸からDNAの遺伝子情報が作られ、細胞の分裂や増殖を助けてくれる働きを持っています。

特に妊娠初期は、胎児が体内で細胞分裂を繰り返して成長していく時期ですので、葉酸の摂取がとても重要な役割を果たします。そのため、妊娠時には普段以上に、葉酸を摂取することが必要になるのです。

妊娠時に葉酸が不足していると、赤ちゃんが先天異常を持って生まれてくるリスクが高まる

葉酸不足によって、お腹の中にいる赤ちゃんの細胞分裂に支障が出ると、赤ちゃんの脳や脊髄が正常に形成されず、「神経管閉鎖障害」という先天性の異常が発生するリスクが、葉酸を正常に摂取している人に比べて高くなってしまうのです。また、神経管閉鎖障害に限らず、生まれてくる赤ちゃんの先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週目までの間に発生することがほとんどであると言われています。

妊娠初期はもちろん、妊娠がわかる前から葉酸をきちんと摂取しておくことは、妊娠を考えている女性にとって欠かせないことであり、少なくとも妊娠の1ヶ月前から葉酸を摂取しておくことが必要であると言われています。しかし、妊娠してから実際に妊娠に気づくまでには時間がかかります。そのため、「赤ちゃんが欲しい」と考えたり妊活をはじめた段階で、葉酸の摂取も同時にはじめることが理想なのです。

厚生労働省は、妊娠する可能性のある女性に葉酸の摂取を呼びかけている

以前から、アメリカなどでは妊娠前の女性への葉酸の摂取が薦められてきました。日本でも、厚生労働省が全国の都道府県や医師会へ向けて「妊娠する可能性のある年齢の女性は葉酸の積極的に摂取すること」への呼びかけが、2000年に開始されました。

これまで特に葉酸の摂取を意識していなかった人は、妊娠がわかった時点ですぐに葉酸の摂取をはじめる必要がありますが、厚生労働省も、「これから妊娠する可能性のある女性は積極的に葉酸を摂取した方がよい」と呼びかけているのです。

女性だけでなく、男性も葉酸の摂取が必要

また、妻だけでなくパートナーである夫も、葉酸を摂取する必要があります。妊娠してお腹の中で赤ちゃんを育てるのは女性ですから、このことは知らない人がほとんどかもしれません。男性側に葉酸が不足していると、男性の身体のコンディションが悪くなり、女性の妊娠に結び付きにくくなることがあるのです。男性も葉酸を摂取することで、女性だけが葉酸を摂取しているよりも妊娠の可能性が高くなるのです。

妊活中の男女が注意すべきこと

妊活を行うにあたって、男女ともに注意しておくべき点がいくつかあります。男女ともに、喫煙や過度の飲酒、過剰なダイエットなど、一般的に身体に悪いと言われていることを避けるのはもちろんですが、性別によって、妊活中に注意しておいた方がよい点がいくつかあります。

女性の場合

女性の場合は、基礎体温をつけることをおすすめします。基礎体温をつけることで妊娠しやすいタイミングがわかるだけでなく、体調や健康状態などの変化にも気づくことができます。

また、身体を冷やさないようにすることも大切です。冷え症は女性に多く見られる症状ですが、妊娠しにくくなる原因につながります。適度な運動や、暖かいものを食べたり飲んだりするようにしましょう。

男性の場合

男性の場合は、育毛剤の使用は避けた方がよいでしょう。育毛剤に含まれる「フィナステリド」という成分は、精子の数を減少させたり、男性の生殖器に影響をもたらしやすいためです。

また、身体を温めすぎないようにしましょう。精子は温度が上がると量が少なくなる性質を持っているためです。下着も、ブリーフではなくトランクスを選んで穿くことをおすすめします。

葉酸は、ダイエットやアルコールの過剰摂取、ピルの服用などで不足しやすい

もともと、葉酸は体内に少ししか溜め込むことができないという性質を持っています。葉酸などの水溶性ビタミンの特徴として、摂取しても、尿などから排出されやすいという性質があります。

ダイエットなどをしていて食事の量を減らしている人は栄養不足になりがちで、葉酸も不足しやすくなります。食事はバランスよくきちんと食べ、間食を減らしたり、適度な運動などでダイエットを行うようにしましょう。

アルコールの大量摂取も、葉酸不足の原因になります。アルコールに含まれる成分が、葉酸の体内への吸収を阻害するだけでなく、体内にある葉酸の量も減ってしまうためです。多少の飲酒は問題ありませんが、お酒が好きで毎日のように飲んでいる人や、つい飲みすぎてしまうことが多い人は注意が必要です。

女性の場合には、ピルなどの服用も葉酸不足の原因につながります。ピルには避妊効果のほか、子宮内膜症などの婦人系の病気になる可能性を低くしたり、月経周期を整えるなどのメリットもあります。しかし、ピルを服用することにより、葉酸などをはじめとする栄養素の吸収率が悪くなってしまいがちです。「今はピルを服用しているが将来的には子どもが欲しい」と考えている女性は、医師と相談することをおすすめします。

葉酸不足は、さまざまな不調を引き起こす

葉酸が不足することを「葉酸欠乏症」と呼びます。葉酸欠乏症になると、私たちの身体にはさまざまな症状が表われてきます。葉酸が不足することにより身体の中の造血機能や細胞分裂に支障をきたしやすくなるため、貧血になってしまったり、腸の機能が低下するなどの症状が表われることがあるのです。

葉酸欠乏症により、口内炎、動悸や息切れ、集中力の低下、身体のだるさ、食欲不振なども起こりやすくなります。また、胃潰瘍などになってしまう可能性もあります。

葉酸欠乏症は、うつ病などにつながる可能性もあります。うつ病は、葉酸やビタミン6、ビタミンB12の欠乏によっても起こる可能性が高くなるのです。脳内に神経伝達物質が不足することなどがうつ病になる原因のひとつですが、葉酸などのビタミンは、神経伝達物質を生成するために欠かせない成分なのです。

適切な葉酸の摂取は、病気の予防につながる

葉酸を正しく摂取することで病気の予防にもつながることが、過去のさまざまな実験で証明されています。

例えば、動脈硬化や心臓疾患などの原因になるホモシステイン濃度が、1日あたり400μgの葉酸を摂取することによって、3~4割程度軽減されたという実験結果が発表されています。

葉酸の摂取は、日本人の死亡原因にも多いがんの予防にも効果をもたらすことがわかっています。葉酸を数年間摂取することで、結腸がんや肺がん、乳がん、子宮頸がんなどを予防できる確率が高くなるという実験結果が出ています。また、葉酸を摂取することで、約8万人の女性の心臓疾患のリスクが低下したという実験結果も出ています。

葉酸を摂りすぎると、発熱やじんましんなどが起きることも

葉酸は身体に欠かせない栄養素ですが、逆に大量に摂取しすぎてしまうこともよくありません。葉酸を摂取しすぎると、「葉酸過敏症」と呼ばれる、発熱やじんましんなどの症状が起こりやすくなります。

葉酸の場合、食品からの摂取はさほど心配はありませんが、1粒あたりに含まれる葉酸の量が多いサプリメントを摂取しすぎると、葉酸過敏症が起きる確率が高くなります。身体に必要な成分であるはずの葉酸を摂取しすぎることで体調をくずし、葉酸過敏症になってしまっては意味がありません。葉酸のサプリメントを摂取する場合には、決められた1日あたりの目安量を守って摂取することが大切です。

妊娠中の女性は、1日400μgの葉酸が必要である

厚生労働省が発表した「日本の食事摂取基準」によれば、12~49歳の男女は1日あたり190~200μgの葉酸を摂取することが必要であると言われており、230~240μgが推奨されています。

妊娠中の女性の場合は、通常の約2倍の400μgの葉酸の摂取が必要であると言われており、430~440μgが推奨されています。また、出産後の授乳期には、270~280μg程度の摂取が必要であると言われています。

男性・女性を問わず、また、妊娠している・していないに関わらず、葉酸の1日あたりの摂取量の上限は900~1000μgと言われています。1日あたりの摂取量が1000μgを超えると「過剰摂取」となってしまいますので、摂りすぎには注意しましょう。

葉酸の多い食材はどのようなものがあるか

炭水化物やたんぱく質などと異なり、葉酸は意識して摂取しないと不足してしまいがちな栄養素です。
葉酸は、どのような食材に多く含まれているのでしょうか。ここでは、特に葉酸が多く含まれている食材をご紹介します。「赤ちゃんが欲しい」と考えている女性や、現在妊活中の女性は、これらの食品を意識して食べるようにしましょう。

レバー(牛、豚、鶏)

レバーは少量でたくさんの葉酸を接収することができる、非常に優れた食材です。レバーに含まれる葉酸の量は50gあたり、牛レバー500μg、鶏レバー650μg、豚レバー405μgもあるのです。また、レバーには葉酸の働きを促進するビタミンB12も豊富に含まれているため、妊娠を目指す女性にとってぴったりの食材であると言えるでしょう。

レバーは、ある程度の規模のスーパーの精肉コーナーに行けば売られているため、手に入りやすい食材です。特に鶏レバーは、レバーの中でも葉酸の含まれる量が最も高く、価格もリーズナブルで調理もしやすいため、おすすめの食材です。

レバーというと、焼肉や焼き鳥などで食べたことはあっても「自宅では食べない」「どんな料理を作ればいいのかわからない」という人もいるかもしれません。例えば、中華料理でおなじみの「レバニラ炒め」は、自宅でも比較的簡単に作ることができますし、鶏レバーでもおいしく作ることができるためおすすめです。

また、バゲットやクラッカーなどによく合う「鶏レバーペースト」も、フードプロセッサーなどを使って自宅で簡単に作ることができます。保存期間も1週間~10日程度と長いため、時間のある時に作っておけば日持ちがするので便利です。

しかし、レバーの摂取には注意も必要です。レバーには葉酸のほかに、ビタミンAや鉄分も豊富に含まれています。ビタミンAが多く含まれているため、レバーを食べすぎると、お腹の赤ちゃんが過剰症を引き起こしてしまうことがあるのです。レバーは少量で葉酸を摂取できる便利な食品ですが、妊娠を考えている人や妊活・妊娠中の人は、レバーを食べるのは週1回程度にしておきましょう。

アスパラガス

アスパラガスも、葉酸が多く含まれる食材のひとつです。アスパラガス1本(20g)あたりに含まれる葉酸の量は38μgと野菜の中でもトップクラスで、少量で葉酸を多く摂取することができます。妊娠中の女性の場合、アスパラガス約11本(葉酸の量:418μg)で、一日に必要な量を摂取することができます。

アスパラガスは、オリーブオイルで焼いて塩コショウを振ったりするシンプルな食べ方や、オイスターソースで炒めたり、豚肉で巻いたり、サラダに入れたりとさまざまな調理方法があります。

また、他の野菜ですと、調理方法によって栄養素が失われてしまうこともありますが、アスパラガスの場合、調理方法が栄養素に影響を与えることはほとんどありません。茹でたり焼いたりと、自分の好みの方法で食べることをおすすめします。

1日に必要な葉酸の量は、食材何個分で摂取できるのか?

食材から1日に葉酸を摂取する場合には、果たしてどれくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。葉酸が含まれている食材を例に、妊娠中の女性に必要な1日あたりの量(400μg)で調べてみました。

納豆:約7パック(420μg)

Natto

スーパーやコンビニなどでパックに入って売られている納豆には、葉酸が1パック(50g)あたり60μg含まれています。納豆は調理の手間がなく、手軽に食べられることがメリットですよね。

卵黄:約16個分(400μg)

卵黄には、葉酸が1個あたり25μg含まれています。卵は料理の材料として使うことも多く、摂取しやすい食品です。残念ながら、白身の部分には葉酸は含まれていません。

ブロッコリー:1株(400μg)

ブロッコリー1株(300g)程度のものに、葉酸は400μg含まれています。ブロッコリーはまるごと買うとボリュームがありますが、一口大に切ることで、カサが減って食べやすくなります。

アボカド:約3.5個(413μg)

アボカドは、1個(140g)あたり118μgの葉酸が含まれています。女性からも人気があり、「森のバター」と呼ばれているアボカドは、葉酸も含まれる栄養素の高い食品なのです。

いかがでしょうか?「1日に必要な葉酸の量は意外と多いんだな…」と思った人もいるかもしれませんね。葉酸を食品から摂取する場合には、複数の食品を上手に組み合わせて摂取することをおすすめします。

サプリメントなら、1日あたりに必要な葉酸を簡単に摂取できる

葉酸が含まれている食品は多いものの、1つの食品から1日分の葉酸を摂取しようとするのはかなり大変であることがわかりました。また、いくら葉酸が含まれていて身体にいいからとはいえ、同じものばかりを食べ続けていては飽きますし、逆に栄養バランスも偏ってしまうのではないでしょうか。葉酸は水溶性ビタミンのため、食材を加熱することによって葉酸の量が減ってしまいやすいというデメリットもあります。

また、現代は共働きが主流になっているため、仕事などで忙しく外食がつづいたり、家で料理をする時間がない時などは、葉酸が含まれる食品を毎日摂取することが難しい場合もあるでしょう。

そのような場合におすすめなのが、「葉酸のサプリメント」です。持ち運びも手軽にでき、水などで飲むことができるため、簡単に1日に必要な葉酸を摂取できるのがメリットです。しかし、サプリメントを飲んだことがない人にとっては、「怪しい」「本当に効果があるのだろうか」など、不安に思う人もいるかもしれません。

葉酸の場合、サプリメントなどの「栄養補助食品」を摂取することが厚生労働省からも薦められています。食材のみから葉酸を摂取することはなかなか難しいことから、1粒あたりに含まれる葉酸の量が多く、体内の吸収率もよい葉酸のサプリメントを摂取することは、政府からも推奨されているのです。食材やサプリメントなどを組み合わせて、葉酸を摂取することをおすすめします。

話題の葉酸サプリメント4種類を飲み比べ

これまで、特に葉酸について意識したことはありませんでした。しかし、周りの友人の妊娠・出産が続いていることなどもあり、自分もだんだんと「赤ちゃんが欲しいな」と思うようになってきました。妊娠に向けて身体の準備を整えておくため、葉酸サプリメントを飲みはじめることにしました。いろいろな種類の葉酸サプリメントが販売されていますが、今回は、話題の4種類の葉酸サプリメントを試してみることにしました!

ママニック葉酸サプリ

ママニック葉酸サプリは、葉酸はもちろんのこと、鉄分、カルシウム、ビタミン・ミネラル・アミノ酸という、妊活中や妊娠中に必要な栄養素を補うことができるサプリメントだそうです。

錠剤のボトルのフタを開けてみると、特に匂いなどはせず、白色にオレンジのような粒がところどころ見えます。平べったく丸くて小さい、頭痛薬ほどの大きさですが、1粒あたり100μgの葉酸が含まれているそうです。口の中に入れてみると、少し鉄っぽい風味を感じました。水で飲んでみましたが、飲みにくさなどはありませんでした。

AFC 葉酸サプリ

AFC 葉酸サプリは、小型なボトルに入っています。厚生労働省が推奨する「モノグルタミン酸型」の葉酸を使用しているそうです。取り出してみると薄いオレンジと茶色を混ぜたような色で、1粒あたりのサイズはとても小さいです。

匂いは、特にありませんでした。口の中に入れてみても風味を感じることはほとんどなく、無味無臭に近い印象を受けました。飲みやすくするため、匂いや風味がしないようにコーティングがされているそうです。また、小粒なので飲みやすかったです。

美的ヌーボ プレミアム

美的ヌーボ プレミアムはアメリカのサプリで、自然食品から抽出したビタミンやミネラル、DHAやEPAなどが配合されているそうです。

こちらはボトルではなく、1日分が小さな袋に入っているタイプです。中には、色の異なる粒が5粒入っています。一番小さいもので小指の爪くらいの大きさの半透明のもの、白い楕円形のもの、グレーっぽい細長いもの、オレンジ色の楕円形のもの、クリーム色に紫っぽい粒が広がるものが入っていました。

口の中に入れてみると、半透明のものは少しだけ甘く苦い風味、白いものは味がなく、グレーとクリーム色は少し「昆布」のような風味、オレンジものは少し苦味を感じました。比較的大きめなものが多かったですが、飲みにくさはありませんでした。

ベルタ葉酸サプリ

ベルタ葉酸サプリは、葉酸の他に美容成分や野菜、アミノ酸などが入ったサプリで、天然型酵母100%の葉酸を使用しているそうです。また、現役の妊婦さんの声をもとに作られたサプリのため、ボトルには子どもが誤って飲まないように、チャイルドロックがかけられています。

ボトルは比較的大きいですがサプリは錠剤程度の大きさで、白色に茶色の粒が混ざっています。匂いはあまりなく、口に入れてみると少し鉄っぽい風味がありましたが、飲みにくさは感じませんでした。

日常的な葉酸の摂取で、高齢妊娠・出産のリスクを軽減できる

一般的には、女性の妊娠適齢期は20~34歳頃までと言われており、加齢により妊娠できる確率は低下していきます。35歳以上になると卵子の数は減少してくると言われており、42歳以上になると、妊娠できる確率は1割以下にまで下がると言われています。

しかし、晩婚化や女性の社会進出などが進み、女性の出産年齢は今後も上昇していくことが予想されます。一般的には35歳以上で子どもを妊娠・出産することが「高齢妊娠」「高齢出産」と定義されていますが、35歳を過ぎると卵子の老化がはじまり、適齢期の女性と比べて妊娠しにくくなります。

また、生まれてくる赤ちゃんにダウン症などの先天性の異常が起きる確率が高くなると言われています。ダウン症児が生まれてくる可能性は、25歳の女性で約1000分の1、40歳の女性で約100分の1の確率と言われています。

もちろん、妊娠は女性だけの問題ではありません。実は、不妊の原因の半分は、男性側に原因があると言われています。男性の場合も40歳を過ぎると精子の質が低下し、女性が妊娠しにくくなる原因となる可能性もあります。

卵子や精子の老化を遅らせるためには、適切な栄養素をきちんと摂ることがとても大切です。葉酸を摂取することにより妊娠できる可能性がアップし、胎児の先天異常が起きる確率を減らすことができます。

みなさんの中にも「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と考えている人や、すでに「妊活」をはじめている人もいるかもしれません。しかし、子どもは「欲しい」と思ってもすぐにできないこともあります。日常的に葉酸を摂取することによって、高齢妊娠・出産のリスクを軽減することができるのです。

おわりに

「妊娠している・妊娠したい女性は葉酸を摂った方がよい」とは聞いていましたが、妊娠初期に葉酸が不足することが、お腹の中の赤ちゃんに大きな影響を与えてしまう可能性につながると知って驚きました。また、妊娠に気づいてから葉酸を摂りはじめるのでは遅いということを知り、妊娠していない時から葉酸を摂取し続けることが、元気な赤ちゃんを妊娠・出産するためにとても必要なことであると実感しました。

今回、生まれてはじめて葉酸サプリメントを飲んでみて、これまでサプリメントを飲んだことがなかったので、最初は少し不安もありましたが、どのサプリメントも原料や成分などがきちんと表示されているため、安心して飲むことができました。

匂いや風味などは商品によって多少の違いはありましたが、全体的「飲みやすい」と感じました。小粒なものがほとんどで、サプリメントの効果はもちろん、「飲みやすさも考慮してくれているんだな」と思いました。また、小型のボトルや小袋に入っているため軽くて持ち運びもしやすく、仕事中や旅行先などでも飲むことができるため、とても便利でした。妊活や妊娠に必要な葉酸がたった数粒で摂取できるのも、忙しい毎日でも長く続けられそうだなと思いました。

普段の生活から葉酸を摂取するよう心掛け、病気の予防はもちろんのこと、健康的な身体づくりを行って将来の妊娠・出産に備えようと思いました!

 

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https://motto-woman.com/wp/wp-content/uploads/green-smoothie.jpghttps://motto-woman.com/wp/wp-content/uploads/green-smoothie-150x150.jpgmotto編集部オーガニックフード葉酸「妊娠したいな」と考えている人や、現在妊活をしている人の中には、「葉酸」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。葉酸は、お腹の中の赤ちゃんの成長にとって非常に大切で欠かすことのできない栄養素のひとつです。葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんに悪い影響が出てしまう可能性があります。 今回は、葉酸は私たちの身体の中でどのような効果をもたらすのか、なぜ妊活中の人や妊娠中には葉酸が必要なのか、葉酸はお腹の赤ちゃんにどのように影響するのか、いつから葉酸を摂取する必要があるのかなどについてご紹介します。 葉酸は「水溶性ビタミン」の1種である 葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、別名プテロイルグルタミン酸とも呼ばれています。ビタミンは「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」の2種類に分けられ、葉酸はビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、B12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンCと同じ水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB群と呼ばれています。 葉酸はもともと、悪性貧血予防の研究をしている時に発見された栄養素です。今から70年以上も前の1941年に、アメリカの学者がほうれん草の中から貧血を改善する成分を発見し、その成分が「葉酸」と名付けられました。ほうれん草や小松菜などのいわゆる「葉物」の野菜に多く含まれている成分であったことから、「葉酸」と名付けられたと言われています。 葉酸は、赤血球の形成に大きく関わる栄養素である 葉酸は、私たちの身体の中でほかのビタミンと同じように「補酵素(酵素の特定の物質を補助する役割)」として働いており、ビタミンB12とともに赤血球の形成に大きくかかわっている栄養素です。 葉酸やビタミンB12を摂取することにより、血中のホモシステイン濃度(血液に含まれるアミノ酸)を低下させることができます。ホモシステイン濃度が高いと、心臓疾患や動脈硬化などを引き起こすリスクが高くなると言われています。 葉酸の効果を高めるためには、ビタミンB12を一緒に摂取することが必要 葉酸は、同じく「補酵素」として体内で変換される「ビタミンB12」と一緒に摂取することをおすすめします。葉酸は、ビタミンB12とともに造血作用(血液が生成される作用)を発揮します。また、身体の中でエネルギーを作ったり、たんぱく質を合成する働きもあります。ビタミンB12を一緒に摂ることによって、葉酸の持つ効果は活性化されるのです。 ビタミンB12は、野菜や果物などの植物性食品にはほとんど含まれていないことが特徴で、肉や魚、乳製品などの動物性食品に多く含まれています。そのため、肉や魚などを口にしないベジタリアンの人は、ビタミンB12の欠乏症になりやすいと言われています。動物性食品の中でも、あさり、ほたて、さんま、いわし、たらこなどの魚介類にビタミンB12は多く含まれているため、これらを摂取するように意識するとよいでしょう。 また、葉酸の場合は摂りすぎると過剰摂取につながることがありますが、ビタミンB12の場合はそのような心配はないため、食べる量などをあまり気にする必要はないでしょう。 過去に妊活を行っていた芸能人 「妊活」という言葉は、ここ数年で広く知られるようになってきたのではないでしょうか。芸能人の中でも、妊活を行った結果、子どもを授かった方もいます。 大島美幸(お笑い芸人) 人気女性お笑いトリオ「森三中」の大島美幸さんは、身体を張ったユニークな芸風で多くの番組に出演していましたが、2014年5月に、妊娠を目的とした「妊活休業」を発表しました。夫である放送作家の鈴木おさむさんも病院に検査に行くなど、夫婦で妊活に取り組みました。過去には流産や子宮筋腫の手術なども経験しましたが、人工授精によって妊娠し、2015年に男の子を出産しました。鈴木おさむさんのブログでは、夫婦でのびのびと子育てに取り組む様子が紹介されています。 矢沢心(タレント) 2007年に、元K-1世界王者である魔裟斗さんと結婚したタレントの矢沢心さん。もともと生理不順などの症状を抱えていた矢沢さんは、結婚後から不妊治療を始めました。流産なども経験しましたが、あきらめず不妊治療などをつづけ、人工授精に成功。2012年に1人目の女の子を出産し、自身の妊活体験を綴った本も話題となりました。ました。2014年には、自然妊娠で授かった2人目となる女の子を出産して2人のお子さんの子育てに取り組み、ママタレントとしても活躍しています。 妊娠前から葉酸を摂取していた芸能人 また、妊娠前から葉酸を摂取しつづけ、妊娠・出産を経験した芸能人の方もいます。 東尾理子(タレント) 石田純一さんの妻であるタレントの東尾理子さんは、2016年3月に、40歳で2人目の女の子を出産したことが話題となりました。東尾さんは1人目の男の子を37歳の時に出産するという、一般的に言うと「高齢出産」であったにも関わらず、2人のお子さんを妊娠・出産し、世の女性たちに勇気を与えました。 葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作るのに欠かせない栄養素 葉酸は、赤ちゃんの脳や神経を作るのにとても重要な役割を持っている栄養素です。知らない人もいるかもしれませんが、妊娠初期にあたる妊娠6週目には、実は胎児の脳や神経系はお腹の中でほとんどできあがっているのです。妊娠6週目は妊娠してから約1ヶ月半頃ですから、中にはまだ妊娠に気がつかずに過ごしている女性もいます。 もちろん個人差はありますが、一般的には妊娠5週目頃から生理が遅れていることに気がついて妊娠検査薬を使ったり、人によってはつわりなどの症状が表われてきます。妊娠6週目には、胎児はお母さんのお腹の中でコーヒー豆ほどの大きさに成長し、超音波などで大きさを測定できる時期にあたります。 つまり、まだコーヒー豆ほどの小さな大きさであるにも関わらず、その頃にはすでにお母さんのお腹の中で、赤ちゃんの脳や神経のほとんどができているということになります。そのため、この時期に葉酸が不足していると、赤ちゃんの脳や神経の発達に影響が出てしまうことがあるのです。 ですから、妊娠が判明してから葉酸を摂りはじめるのは本来遅く、「妊娠したい」と考えはじめた段階や、妊活を行っている段階で、葉酸を日常的に摂取しておく必要があるのです。 葉酸は、胎児の細胞分裂や増殖を助ける役割を持つ 葉酸は、細胞の新陳代謝を行う「核酸」の合成に欠かせない栄養素です。核酸からDNAの遺伝子情報が作られ、細胞の分裂や増殖を助けてくれる働きを持っています。 特に妊娠初期は、胎児が体内で細胞分裂を繰り返して成長していく時期ですので、葉酸の摂取がとても重要な役割を果たします。そのため、妊娠時には普段以上に、葉酸を摂取することが必要になるのです。 妊娠時に葉酸が不足していると、赤ちゃんが先天異常を持って生まれてくるリスクが高まる 葉酸不足によって、お腹の中にいる赤ちゃんの細胞分裂に支障が出ると、赤ちゃんの脳や脊髄が正常に形成されず、「神経管閉鎖障害」という先天性の異常が発生するリスクが、葉酸を正常に摂取している人に比べて高くなってしまうのです。また、神経管閉鎖障害に限らず、生まれてくる赤ちゃんの先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週目までの間に発生することがほとんどであると言われています。 妊娠初期はもちろん、妊娠がわかる前から葉酸をきちんと摂取しておくことは、妊娠を考えている女性にとって欠かせないことであり、少なくとも妊娠の1ヶ月前から葉酸を摂取しておくことが必要であると言われています。しかし、妊娠してから実際に妊娠に気づくまでには時間がかかります。そのため、「赤ちゃんが欲しい」と考えたり妊活をはじめた段階で、葉酸の摂取も同時にはじめることが理想なのです。 厚生労働省は、妊娠する可能性のある女性に葉酸の摂取を呼びかけている 以前から、アメリカなどでは妊娠前の女性への葉酸の摂取が薦められてきました。日本でも、厚生労働省が全国の都道府県や医師会へ向けて「妊娠する可能性のある年齢の女性は葉酸の積極的に摂取すること」への呼びかけが、2000年に開始されました。 これまで特に葉酸の摂取を意識していなかった人は、妊娠がわかった時点ですぐに葉酸の摂取をはじめる必要がありますが、厚生労働省も、「これから妊娠する可能性のある女性は積極的に葉酸を摂取した方がよい」と呼びかけているのです。 女性だけでなく、男性も葉酸の摂取が必要 また、妻だけでなくパートナーである夫も、葉酸を摂取する必要があります。妊娠してお腹の中で赤ちゃんを育てるのは女性ですから、このことは知らない人がほとんどかもしれません。男性側に葉酸が不足していると、男性の身体のコンディションが悪くなり、女性の妊娠に結び付きにくくなることがあるのです。男性も葉酸を摂取することで、女性だけが葉酸を摂取しているよりも妊娠の可能性が高くなるのです。 妊活中の男女が注意すべきこと 妊活を行うにあたって、男女ともに注意しておくべき点がいくつかあります。男女ともに、喫煙や過度の飲酒、過剰なダイエットなど、一般的に身体に悪いと言われていることを避けるのはもちろんですが、性別によって、妊活中に注意しておいた方がよい点がいくつかあります。 女性の場合 女性の場合は、基礎体温をつけることをおすすめします。基礎体温をつけることで妊娠しやすいタイミングがわかるだけでなく、体調や健康状態などの変化にも気づくことができます。 また、身体を冷やさないようにすることも大切です。冷え症は女性に多く見られる症状ですが、妊娠しにくくなる原因につながります。適度な運動や、暖かいものを食べたり飲んだりするようにしましょう。 男性の場合 男性の場合は、育毛剤の使用は避けた方がよいでしょう。育毛剤に含まれる「フィナステリド」という成分は、精子の数を減少させたり、男性の生殖器に影響をもたらしやすいためです。 また、身体を温めすぎないようにしましょう。精子は温度が上がると量が少なくなる性質を持っているためです。下着も、ブリーフではなくトランクスを選んで穿くことをおすすめします。 葉酸は、ダイエットやアルコールの過剰摂取、ピルの服用などで不足しやすい もともと、葉酸は体内に少ししか溜め込むことができないという性質を持っています。葉酸などの水溶性ビタミンの特徴として、摂取しても、尿などから排出されやすいという性質があります。 ダイエットなどをしていて食事の量を減らしている人は栄養不足になりがちで、葉酸も不足しやすくなります。食事はバランスよくきちんと食べ、間食を減らしたり、適度な運動などでダイエットを行うようにしましょう。 アルコールの大量摂取も、葉酸不足の原因になります。アルコールに含まれる成分が、葉酸の体内への吸収を阻害するだけでなく、体内にある葉酸の量も減ってしまうためです。多少の飲酒は問題ありませんが、お酒が好きで毎日のように飲んでいる人や、つい飲みすぎてしまうことが多い人は注意が必要です。 女性の場合には、ピルなどの服用も葉酸不足の原因につながります。ピルには避妊効果のほか、子宮内膜症などの婦人系の病気になる可能性を低くしたり、月経周期を整えるなどのメリットもあります。しかし、ピルを服用することにより、葉酸などをはじめとする栄養素の吸収率が悪くなってしまいがちです。「今はピルを服用しているが将来的には子どもが欲しい」と考えている女性は、医師と相談することをおすすめします。 葉酸不足は、さまざまな不調を引き起こす 葉酸が不足することを「葉酸欠乏症」と呼びます。葉酸欠乏症になると、私たちの身体にはさまざまな症状が表われてきます。葉酸が不足することにより身体の中の造血機能や細胞分裂に支障をきたしやすくなるため、貧血になってしまったり、腸の機能が低下するなどの症状が表われることがあるのです。 葉酸欠乏症により、口内炎、動悸や息切れ、集中力の低下、身体のだるさ、食欲不振なども起こりやすくなります。また、胃潰瘍などになってしまう可能性もあります。 葉酸欠乏症は、うつ病などにつながる可能性もあります。うつ病は、葉酸やビタミン6、ビタミンB12の欠乏によっても起こる可能性が高くなるのです。脳内に神経伝達物質が不足することなどがうつ病になる原因のひとつですが、葉酸などのビタミンは、神経伝達物質を生成するために欠かせない成分なのです。 適切な葉酸の摂取は、病気の予防につながる 葉酸を正しく摂取することで病気の予防にもつながることが、過去のさまざまな実験で証明されています。 例えば、動脈硬化や心臓疾患などの原因になるホモシステイン濃度が、1日あたり400μgの葉酸を摂取することによって、3~4割程度軽減されたという実験結果が発表されています。 葉酸の摂取は、日本人の死亡原因にも多いがんの予防にも効果をもたらすことがわかっています。葉酸を数年間摂取することで、結腸がんや肺がん、乳がん、子宮頸がんなどを予防できる確率が高くなるという実験結果が出ています。また、葉酸を摂取することで、約8万人の女性の心臓疾患のリスクが低下したという実験結果も出ています。 葉酸を摂りすぎると、発熱やじんましんなどが起きることも 葉酸は身体に欠かせない栄養素ですが、逆に大量に摂取しすぎてしまうこともよくありません。葉酸を摂取しすぎると、「葉酸過敏症」と呼ばれる、発熱やじんましんなどの症状が起こりやすくなります。 葉酸の場合、食品からの摂取はさほど心配はありませんが、1粒あたりに含まれる葉酸の量が多いサプリメントを摂取しすぎると、葉酸過敏症が起きる確率が高くなります。身体に必要な成分であるはずの葉酸を摂取しすぎることで体調をくずし、葉酸過敏症になってしまっては意味がありません。葉酸のサプリメントを摂取する場合には、決められた1日あたりの目安量を守って摂取することが大切です。 妊娠中の女性は、1日400μgの葉酸が必要である 厚生労働省が発表した「日本の食事摂取基準」によれば、12~49歳の男女は1日あたり190~200μgの葉酸を摂取することが必要であると言われており、230~240μgが推奨されています。 妊娠中の女性の場合は、通常の約2倍の400μgの葉酸の摂取が必要であると言われており、430~440μgが推奨されています。また、出産後の授乳期には、270~280μg程度の摂取が必要であると言われています。 男性・女性を問わず、また、妊娠している・していないに関わらず、葉酸の1日あたりの摂取量の上限は900~1000μgと言われています。1日あたりの摂取量が1000μgを超えると「過剰摂取」となってしまいますので、摂りすぎには注意しましょう。 葉酸の多い食材はどのようなものがあるか 炭水化物やたんぱく質などと異なり、葉酸は意識して摂取しないと不足してしまいがちな栄養素です。 葉酸は、どのような食材に多く含まれているのでしょうか。ここでは、特に葉酸が多く含まれている食材をご紹介します。「赤ちゃんが欲しい」と考えている女性や、現在妊活中の女性は、これらの食品を意識して食べるようにしましょう。 レバー(牛、豚、鶏) レバーは少量でたくさんの葉酸を接収することができる、非常に優れた食材です。レバーに含まれる葉酸の量は50gあたり、牛レバー500μg、鶏レバー650μg、豚レバー405μgもあるのです。また、レバーには葉酸の働きを促進するビタミンB12も豊富に含まれているため、妊娠を目指す女性にとってぴったりの食材であると言えるでしょう。 レバーは、ある程度の規模のスーパーの精肉コーナーに行けば売られているため、手に入りやすい食材です。特に鶏レバーは、レバーの中でも葉酸の含まれる量が最も高く、価格もリーズナブルで調理もしやすいため、おすすめの食材です。 レバーというと、焼肉や焼き鳥などで食べたことはあっても「自宅では食べない」「どんな料理を作ればいいのかわからない」という人もいるかもしれません。例えば、中華料理でおなじみの「レバニラ炒め」は、自宅でも比較的簡単に作ることができますし、鶏レバーでもおいしく作ることができるためおすすめです。 また、バゲットやクラッカーなどによく合う「鶏レバーペースト」も、フードプロセッサーなどを使って自宅で簡単に作ることができます。保存期間も1週間~10日程度と長いため、時間のある時に作っておけば日持ちがするので便利です。 ...オーガニックな暮らしで健康でキレイに

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